個人研究・ゼミ演習の進め方
 経営管理大学院のワークショップ(個人研究)や経済学部の卒業論文研究では、 学生個々と課題認識の設定を討議し、一人一人の特性や将来のキャリアパスを考慮した研究指導を行います。
また、ゼミ演習では、テキスト輪読、米国ケース教材や、実地情報収集を基本とした具体事例の調査・分析、討議を行い、イノベーションの基礎や多面的理解を深めます。 さらに、各ワーキンググループの活動紹介・報告などをベースに全体討議を行い、イノベーションマネジメントの応用展開能力を高めます。
このような領域やアプローチに興味のある学生の方は、ご連絡ください。

スモールワールド性
 世の中こんなにたくさんの人々が生活しているので、いろいろな場面で初対面の方と出会う機会があります。 いざ話し込んでみると、共通の友達が見つかったりして、結構盛り上がることがあります。 ところが、本当の世の中は、そんなにせまい訳ではありませんから、「たまたま偶然だよね」とか考えて済まして いるのかもしれません。しかし、このような偶然が生み出される傾向は、たまたまではなく、ある種の共通性、普遍性をもつもの です。このような性質は、スモールワールド性と呼ばれています。スモールワールド性は、このような人間関係のネットワークだけでなく、 病気の感染伝播やWebホームページのリンク構築など、社会的、経済的側面のいろいろな場面で現れています。
 このようなスモールワールド性を有するネットワークにおいては、一般に、次の2つの状態を具備しています。
① フロンティア(辺境)までの道のりの短さ
 ネットワークの任意の地点から別の任意の地点へ、短いパス(即ち、少ないステップ)で到達できる状態です。 これは、別名、6次の隔たり(Six Apart)と呼んでいます。 数字の6自体に意味はないのですが、世界中にいるどの人へも、5~7ステップの紹介で会うことができるという経験則に由来しています。
② クラスタ(相互の関係が存在する密なコミュニティ)の存在
 友達の友達は、自分の直接の友達でもあるというような集団(コミュニティ)が存在する状態です。 現実のネットワークでは、比較的大きなクラスタの存在が見受けられます。
 スモールワールド性の良さは、蓄積されたポテンシャルを活用し、比較的少ない労力や手間で、急激な変化や不連続な変化を起こせる可能性があることです。 これは、イノベーションを創出する際の具備すべき要件であり、イノベーションマネジメントにとっても大事な要素であります。 我々は、多様な価値観を尊重し、スモールワールド性をはじめとした種々の知見を念頭におきつつ、イノベーションマネジメントの研究・演習の実践を進めています。

参考文献: 増田 直紀,今野 紀雄,『複雑ネットワークの科学』,産業図書,2005